彼との香り「寂しい気持ちを忘れる香り」

「おはよう」
未だ、肌寒い風が肌に触れる初春。
窓を開けて、ベランダのお花に水をあげる。
一日の始まり・・・。

ふいに、机の上の携帯に手を伸ばす。

歯磨きをしながらスクロール・・・

・・・・
「まだ来てないか・・・」

忙しい彼氏は、なかなかかまってくれない。

しょうがないよね、お仕事だもんね

寂しい気持ちをふさぎ込むように唇を噛み締めた。

私は大学生。
彼は働いている社会人。

来ない連絡
でも、どこか期待しながら

「おはよう」
と送る私。
付き合って1年、もう少しなんかあってもいいよね?

この間のデートいつだっけ?
そうだ、このリビドーロゼを一緒に買ったんだよね

リビドーロゼを手に取ると
思わず笑みがこぼれてくる。

会いたいな。

「シュッ」とコロンを一吹き。
傍に彼がいるような感じがしてくる。

「ピンポーン」
こんな時間に来客?

「はーい」
ドアを開けると

「はっはっはっはっ」
息を荒げている彼がいた。

「何!!!そうしたのこんな、じかっ・・・」

彼は壊れるくらいの勢いで抱き着いてきた。

「会いたかった」

彼の鼓動は私を壊すくらい
早くて
彼の体は温かい。

「ねぇ・・・」

彼は暫くしてつぶやいた。

「何?」

「この香り・・・」

「そうだよ、デートで買ったやつ
一緒に・・・」

彼はさらに強く私を抱きしめた。
嬉しかった。

覚えててくれたんだね。

「いつも寂しくさせてごめん」

「好きだよ」
お互い確かめ合った。

リビドーロゼ、
見るたびに嬉しくなる。

彼との香り。

シュッ

今日も香りに癒される。

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